爆発圧力・圧力上昇速度試験
目的
粉じん爆発性の評価の中で、「爆発の激しさ」を評価するものです。
測定内容としては、最大爆発圧力及び圧力上昇速度を測定し、KStを求め、JISに規定された評価判定基準により「爆発の激しさ」を爆発危険等級に分類します。尚、この試験によって得られた数値は、集塵機等の装置の爆発防護を目的とした放散口面積の設計に利用されます。
装置
- 30リットル球形爆発試験装置
この装置は「可燃性粉じんの爆発圧力及び圧力上昇速度の測定方法」の附属書2に記載するものです。
装置概要
測定方法
- 球形試験容器内に濃度に見合った量の試料を均等に入れます。
- 密閉した後、真空ポンプによって目的の真空まで減圧します。
- 電磁弁を開放し球形試験容器内に粉じんを均一に分散し、着火信号によって内部に設置してある火薬(10kJ)に着火し爆発させます。
- 爆発の圧力は圧力変換器を通して動歪み計に信号が入り、デジタルアナライザによって波形を観測します。
- 電磁弁が開放し球形容器内が大気圧になった時点を起点とし、最大に到達した電圧を最高圧力とし、最高圧力に到達するまでの時間変化による圧力変化を圧力上昇速度とします。
- 測定は3濃度以上行い、濃度に関係なく最高圧力を最大圧力とし、最も高い圧力上昇速度を最大圧力上昇速度とします。
測定範囲
- 濃度3000g/m³を吹上限界濃度とし、測定濃度間隔は250g/m³とします。
評価
最大圧力の評価はありません。また最大圧力上昇速度の評価はKSt値として評価し、これは1m³測定器の測定値に換算した値です。
JIS Z 8817:2002から
KSt=(試験容器容積0.03m³)1/3×最大爆発圧力上昇速度
爆発危険等級 |
KSt(×102KPa・m・s-1) |
爆発の激しさ |
St0 |
0 |
0(爆発せず) |
St1 |
0 < KSt ≦ 200 |
弱 |
St2 |
200 < KSt ≦ 300 |
強 |
St3 |
300 ≦ KSt |
激 |
試料必要量
JISふるい目開き63μm程度 (通常75μm)下、
または、目開き300μm下の試料を300g以上